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指導案
在米日本人のこどもに教える人物学習日本史

内藤崇生(在ロサンゼルスあさひ学園教諭)
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私は内藤喬生(ないとう・たかお)と申します。1979年以来ロサンゼルスに滞在し、現在、当地の補習校、あさひ学園で教えています。
大学卒業後、禅の専門道場で雲水として、1年間修行を行った後、兵庫県西宮市で10年間小学教師を経験し、33歳という、常識的に考えれば遅過ぎる時期に、アメリカに留学生としてやってきました。英語や金銭面での苦労の末、一応修士課程を修了し、哲学でMAを取得しました
そんな私が、教育という分野で、ようやく近ごろ、情熱がもてるようになりました。また日本が恋しくなり、また日本の実状が心配にもなってきたのです。ちょうどそんな時期、自由主義史観研究会に参加させてもらえるチャンスが与えられ、私のような者でも、日本に何か発信できるのでは、と思うようになりました。
人生の後半をスタートする歳になって、友人がこちらで経営している出版会社から、私の一寸人並みはずれた半生や教育論に加え、人種の坩堝ロスで知り合った創造的で、また一風変わった人々のことを書いた本を上梓する予定です。初版はごく少部数になるでしょうが、興味を持っていただければ嬉しいです。
外国にいる私が、日本の皆さんとは少々違った角度から、教育なり、政治の世界へ一矢を投じることができれば、幸いに思います。また、皆さんと今後交流を行い、より良い日本を作っていきましょう。そのような活動が、自分の生きがいになると信じています。
さて、私が勤務校で担当している、総合学習の指導案をお目にかけます。あさひの総合学習はアメリカ滞在の長い生徒に、日本の文化を色々な角度から教えることを目標にしています。この指導案は、人間を通じて日本史を概観するというもので、対象は一応中学2年生です。しかしながら、全ての学年の子供たちにアプローチできるようにと、考えております。
第1回目は、「縄文人間・弥生人間」と題した皮切りの授業です。
◆ ◆ ◆
「縄文人間・弥生人間」
・学習目標
縄文時代、弥生時代の人々は、どのような人間であったか、それぞれの文化を通して考える。また日本人をこの二つの人間として類型化することができるなら、現代においてどのような文化的傾向を、この二つの人間が提示しているか考えさせる。
・ 導入
縄文時代の人、弥生時代の人って、どのような人間だったのでしょうか。先生は彼らを、縄文人間、弥生人間と名づけました。彼らを通じて、2つの違ったタイプの日本人に分類してみようと思います。
・発問1 それぞれの、時代の特徴を述べてください
生徒の既習レベルに応じて発言させる。
・活動1 資料を使って、グループでもっと詳しく調べてください
後にグループごとに発表してもらいます。
資料として準備したものは、『日本の歴史』(小学館の学習百科図鑑)10〜15頁、『こども歴史新聞』(縄文人の暮らし、三内丸山遺跡、稲作開始、軍事施設を備えた『吉野ケ里』のムラ、日本人の祖先縄文人・弥生人タイプ)。
・活動2 発表してください
発表過程で、教師が解説を加え、縄文文化、弥生文化を生徒に理解させる。
・活動3 では、最初に先生が言った、「縄文人間」、「弥生人間」ってどのようなタイプの人だろうか?
(以下、●は生徒の発言)
●縄文人は狩猟採集をする人たちだから、食べ物を探すために、苦労しただろうね。
●だから、神経質の人が多いんじゃないかな。
●食べ物は山や川、海で簡単に採れたというから、案外のんびりした人が多かったと思う。
●弥生時代には食べ物の心配が少なくなったので、弥生人間の方が、のんびりしていたじゃない。
●弥生時代に本格的に米を作るようになり、農作業が大変で、働き者の人が多くなったと思う?稲作は共同作業を伴うものだから、みんなと協力するような、人間になったんじゃないかな。
●縄文人間だって、狩りをするのは、一人ではできないよ。
※ここでは、自由に意見を交換させる。まとまりのない話し合いになることも予想されるので、教師は各文化の特徴として以下のことは、生徒にしっかり捉えさせる必要がある。
□縄文時代は人口も少なく、基本的に食料に恵まれていた、よって縄文人同士の抗争が少なかった。人々は自然の恩恵に感謝するという、自然観をもち、リラックスした生活を送っていたと思われる。
□弥生時代は人口も増加し、多くの人を養うために、大規模に稲作が行われ、よく働かなければならなかった。また稲作は共同作業を伴うもので、集団での行動が多くなった。
□農地を多くもつ人間が権力を握るようになり、土地をめぐる抗争が多くなったことが考えられる。
※生徒同士の話し合いや、教師の指導により、自分なりの縄文人間、弥生人間の人間像を生徒のなかにイメージさせる。
発問2 みなさんは、縄文人間、弥生人間、どちらのほうが好きですか。
●縄文人間。それほど働かなくても、山にいけば栗や椎などのたべものがとれるし、魚や動物も簡単にとれそうだから。毎日ピクニックみたいで楽しそう。
●異常気象の時だったらそんなに、簡単に食料が手に入らない。そんな不安定な生活より、確実に米が収穫できる弥生人間のほうが良いと思う。
●縄文人間ばかりだったら、人類の進歩はなかった。人間は農業をしたり、新しい産業をおこしたりすることによって、進歩してきたのではないか。
●それもそうだが、はたしてそのような進歩が人間を幸せにしたのだろうか。
発問3 現代人を縄文人間、弥生人間に分類してみよましょう。
※DNA的なことによるより、行動パターンの違いとして、日本人を縄文人間、弥生人間として分類させることで、縄文文化、弥生文化を理解させる。
●癒し系は縄文人間。
●猛烈社員は弥生人間。
●芸術家は縄文人間。
●政治家は弥生人間。
●ぼくのお母さんは弥生人間。だって勉強しろ、勉強しろってうるさいから。
●私のお父さんは縄文人間。日曜日など、家でゴロ寝していることが多いから。
●でも、普段は会社で一生懸命働いているでしょう。
●だったら、一人の人間に両方の性質を備えている場合もあるね。
活動4 あなたは縄文人間でしょうか、弥生人間でしょうか。またそう言える理由を簡単に書きましょう。
※自分をどちらかのタイプにあてはめ、理由を考えさせることで、縄文時代、弥生時代の人々を身近に感じさせる。
まとめ 学習したことを、ノートにまとめましょう。
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