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授業報告
日本の領域(1)

高橋智之(岩手県公立小学校教諭)
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1.はじめに
日本の地理的条件、外国からの侵略をあまり受けたことがない歴史的な条件(地理的条件と重なる部分もあるが)、戦後教育の問題などの要素が絡み合って、日本人は「日本の領土」に対する認識が薄いように感じる。外国との接点は、グラデーション的で、なんとなく日本から外国になるといったイメージなのではないだろうか。
そこで今回は、以下のようなポイントを意識して、授業案を作成してみました。
・日本は、島国である。北海道、本州、四国、九州の他にも多数の島があること。
・日本は、小さい国と思われがちだが領土面積において世界の約二〇〇カ国のなかで62番目であり、上位の方に属していること。
・領土は歴史的経緯から、境界線は常に一定のもではなく、現在も未解決の領土問題が存在していること。
・排他的経済水域は世界で6番目の大きさであること。そのため、領域を意識する時、領土だけでなく、EEZに視点を広げること。
・地下資源の利権などに関わって、領土問題は現在ますます重要課題になっていること。
・土地は自分の問題である意識。現実に生活をしていた人々が生活地を奪われていること。
2.目標
上記の点をふまえて日本の領域についての認識を深める。
3.授業展開上の工夫
・白地図を使っての作業を通して理解できるようにした。
・クイズを取り入れながら、児童の思っている日本の領域についてのイメージを豊かにするようにした。
・事実に対する児童の考えを発表する場面を用意し、事実に対する思考力が高められるように工夫した。(高度な内容もあるので、児童の実態に応じて省略することもあるかもしれない。)
4.対象学年
5、6年 (歴史もかかわるので6年 生の後半がいいかもしれません。)
5.時数 2〜3時間
6.展開案
(●は教師の発問・指示、◎は説明、 ○は予想される児童の反応、※は展開 上の留意点)
(1)日本の領土(陸地)について
●(日本を抜いた東アジアの白地図を提示しながら)
この地図を見て、おかしいと思うところはありませんか。
○日本がありません。
※気がつかない時には、東アジアの様子を地図帳と比較して気づかせる。
●そうですね。日本がありません。それでは、正しい東アジアの地図にするために日本をつけたしましょう。(北海道だけの白地図を提示しながら)これは、何ですか。
○北海道です。
●そうですね。では、前に出てきてはってください。以下同じように、本州、四国、九州を提示
※おもしろい形の日本になる可能性も あり、笑いも含めて対応する。
●これで東アジアの地図が完成したと思う人は○、違うと思う人は×を出してください。せいのドン。
○沖縄県がないことに気がつく児童はいると思われる
●そうですね。日本は、北海道、本州、四国、九州などの他に沖縄県などもあります。それでは、日本は、北海道、本州、四国、九州の他にいくつ島があるのでしょうか。
1、四島 2、約四〇島 3、約四〇〇島 4、約四〇〇〇島
※2番、3番を選択する児童が多いと思われる
●正解は、なんと約四〇〇〇島あります。正確に三九二二島です。
島についてもう少し詳しく説明しましょう。まず、どれくらいの大きさのものを島というかなんですが、「満潮時に海岸線の延長距離が一〇〇メートル以上のもの」と海上保安庁というところで決めています。また国土地理院では、面積をもとに六八五二島となっています。そのうち、人が常住している島は、四三〇島です。どうですか。予想以上にたくさんありましたね。
それでは、地図帳を使ってできるだけ、たくさん島を探してください。探した島の名前は、ノートに書きます。
○発表させ、地図帳で場所を確認する。
●(どの島が一番大きいか地図帳で予想した後)面積の大きい島を紹介します。
(資料1)
●日本はたくさんの島からなっていることが分かったと思うのですが、それでは、日本の大きさは、世界の国々中で約何番目だと思いますか。世界には約二〇〇カ国の国があります。
1、二〇〇位 2、六〇位 3、一〇〇位 4、一四〇位 5、一八〇位
※3番、4番を選択する児童が多いと思われる。
●正解は、2番の六〇位です。統計の取り方で五九位だったり、六二位だったりするのですがやく六〇番目とうことになります。
(2)日本の領土・領空・領海・EEZ(排他的経済水域)
●(児童が調べた島名の中から、4島の名前(択捉、南鳥島、与那国、沖ノ鳥島)を提示して)この4つの島のある共通点があります。何だと思いますか。
※見つけられない場合は、「地図帳をよく見て推理してみよう。」などの補助発問を通して気づかせる。また、島に対するいろんな予測が出れば面白い。
●東西南北と方角は違うのですが、それぞれの一番はじの島であるあることが共通しています。(地図帳で確認)
●どんな島か実際の写真を見てみましょう。おやちょっと変だなあと思う島はありませんか。(資料2)
※沖の鳥島は人工的なつくりが多いことに気がつかせる。
●沖の鳥島がどんな島なのか説明します。(資料3)
●どうしてたくさんお金をかけて、とっても小さな島を守ろうとしているのでしょうか。
※理由を聞いてみるが、意見が出ないようであれば教師が説明する。たくさんのお金をかけても守るべきか、なくなってもかまわないのか話し合うこともできるかもしれない。
●日本は空間的にどこからどこまでかを考える時、今までは陸地に限って考えてきたのですが、実はそれだけでありません。(資料4)
普通みんなが日本の陸地と考えているところを領土と言います。その上を領空。さらに沿岸線からの12海里(約22キロ)領海といいます。ここには、日本の許可なく勝手に外国の船や飛行機が入ることはできません。さらに現在、世界では国連海洋法条約によって、EEZ(排他的経済水域)といわれる、海の領土のようなものが決められています。EEZとは海岸線から二〇〇海里(三七〇キロ)までのことで、船などの行き来は自由ですが魚や海底資源をとるためにはその国の許可が必要な海のことをいいます。(1海里=一八五二メートル)
沖ノ鳥島のEEZは40万平方キロメートルで日本の領土面積約38万平方キロメートルを上回る地域が日本のEEZとなっています。
●日本のEEZの広さは世界の国で何番目になるでしょう。
1、六位 2、六〇位 3、一二〇位 4、一六〇位
※2番、3番を選ぶ児童が多いと思われる。
●正解は6位です。世界の中でも10番目に入ります。日本はとても大きな海の領土を持っていることになります。
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