平成19年度自由主義史観研究会全国大会レポート/授業記録
祝日

高橋智之(岩手県公立小学校教諭・自由主義史観研究会会員)

1.はじめに

(1)戦後の日本では、祝日が単なる休日化、世俗化している現状がある。 祝日は、日本の歴史や文化に根ざした由来やその日が祝日である根拠がある。それについて学習することは、道徳の目標である以下の内容に照らして大切である。

4 主として集団や社会とのかかわりでかんすること

(7)郷土やわが国の文化と伝統を大切にし、先人の努力を知り、郷土や国を愛する心をもつ。

(解説)
この段階においては、郷土を愛する心が日本人全体に開かれたものへと発展し、国を愛する心が児童の内面から自覚されることが大切である。そのためには、郷土やわが国の発展に尽くした文化や伝統を育てた先人の努力を知り、自分もまたそれを継承し発展させていくべき責務があることを自覚し、そのために努めようとする心構えを育てる必要がある 。

(2)例えば、日本には、法律上祝日はあるが祭日がないこと。戦前11月3日は天長節(明治天皇の誕生日)と呼ばれる祝日であった。それが、なぜ文化の日にという名前に変わったのかなど、実は占領期のGHQの政策によるものである。日本の祝日が、無国籍的に印象を受けるものそのためである。
今回は、(1)の目標に照らし合わせて「なぜ戦後の日本では、祝日が単なる休日化、世俗化してしまったのか?」という点とは、別の観点で授業を行う。
(3)今回の授業は、平成18年度自由主義史観全国大会で発表があった國學院高校の飯島先生の授業案を小学校高学年の道徳の目標にあわせた授業プランに修正したものである。

2.めあて

アメリカの祝日と比較しながら、日本の祝日の意義や由来について考えることを通して、郷土やわが国の文化と伝統を大切にし、郷土や国を愛する心を育てる

3.授業記録(2時間)
  (●は教師の発問・指示、○は児童の発言・反応、※は考察)


(1)導入(祝日についてすでにしていることを整理する。)

●土日の休みの他に、休日は何日ありますか。プリントに書きなさい。

○正答
・建国記念日・海の日・敬老の日・文化の日(11月3日)・秋分の日・春分の日  ・子どもの日・元日・体育に日・勤労感謝の日・天皇誕生日

○誤答
・新聞の日・大晦日・小正月・森の日・ろうじんの日 
※予想したよりも名前は知っていた。しかし、日にちはほとんど知らなかった。由来についてほとんど知らないと思われる。

●残りの休みの日を今年のカレンダーで調べましょう。
●このような休みの日にはまとめて名前がついています。何の日ですか。
○祝日 

(2)展開(アメリカの休日との比較を通して日本の休日の由来を調べる)

●祝日は、外国にもあります。アメリカの祝日を紹介します。
※歴史的背景の説明を加えながら行ったが、小学生には分かりにくい点もあった。

●全然関係がないようでも、あるつながりから2種類に分けることができます。

アメリカの祝日は、AとBの2種類分けられます。これを参考に、日本の祝日も2つに分けなさい。A=(  )に関すること。B=(  )に関すること。分けるときの基準になる言葉が入ります。祝日を分けながら、(  )にどんな言葉が入るのかも一緒に考えなさい。(資料1祝日の由来・・・インターネット(国民精神研修財団ホームページ)

○A=行事が無い。     B=何かの行事がある。
○A=日本           B=日本とアメリカ   
○A=生命・体・健康を願う B=感謝、疲れを取る、先祖を拝む。(最初、自然、成長、国民、先祖、その他に分類し、その後2つにまとめた。)
※やはり、難しかった。国家に関すること=A、昔からの行事や伝統・お祝い事=Bは出なかった。

○アメリカの祝日を分類しているキーワードは、国家に関すること=A、昔からの行事や伝統・お祝い事=Bでです。

●このキーワードをヒントに、日本の祝日をもう一度分類してみましょう。最初は、全員で確認します。

○元日=B 成人の=B 建国記念日=A 昭和の日=A

●昭和の日をAと考えた理由を発表してください。

○日本しかない。昭和天皇の誕生日。昭和天皇は国民のために尽くしたから。多くの国民の要望で作られたから。という理由の発表がありAとした。

●残りの祝日を分類してみましょう。
※勤労感謝の日は、天皇陛下が関わっているので国家的な行事Aとも言えるし、新嘗祭を考えるとBともいえる。この作業の指示は、正確に分類することより祝日の由来を知ることに重点を置いたものである。分類を迷うものもあり、一応ということで、教師の解を示した。

《国家に関すること(A)》
・建国記念日・憲法記念日・海の日・昭和の日・敬老の日・文化の日・天皇誕生日 

《昔からの行事や伝統・お祝い事(B)》
・元日・春分の日・勤労感謝の日・みどりの日・秋分の日・子どもの日・体育に日 ・成人の日

(3)展開(祝日の日の過ごし方)

●祝日に何をしていますか。

○こどもの日に、菖蒲湯に入ったり、菖蒲を屋根にかけたりしている。

●Bに付いての行事は、なじみがあるのですが、Aについてはほとんど何もしていませんね。それでは、アメリカはどうでしょう。(独立記念日の様子を紹介)   

●祝日には、自分たちの歴史・文化を再認識する意味があると言われています。国民が歴史的に大切な日を忘れないために、それを思い起こして次の世代に伝える意味があります。この国今日があるのは、その歴史的な事件があったからだという気持ちをみんなで確認するためです。これからは、祝日はその日にどんな意味があるのか考えてみたいですね。

(4)まとめ

●最後に、一つ祝日を増やしていいと言われたら、どの日にしますか。年表を見て考えなさい。日にちがはっきり分からなくてもいいです。〜があった日とまとめてもいいです。

○1925年 ラジオ放送が始まった日
○1854年 日米和親条約を結んで鎖国をやめた日
○明治維新の日

※祭日と言う言葉は、授業後簡単に説明した。
※後半は、秋の3連休をつくるために祝日を移動してはどうか意見があります。皆さんはどう思いますか、という展開もあると思う。

《授業を受けての感想》
・祝日はただの休みではなく、意味がきちんとあることが分かった、人生に役立つように感じて得をした気分になった。
・今度からは、意味を考えながら祝日を過ごしたい。
・祝日は、国家に関係したものと昔からの伝統・行事にわかれていることが分かった。祝日の意味も良く分かった。
・休日が15個あること、2つに分けることができることを始めて知った。
・外国の祝日も日本の祝日に似ているのがあってびっくりした。
・自分で祝日を作ってとても楽しかった。

3.参考資料
・『「国民の祝日」の由来がわかる小事典』所功著 PHP新書
・フリー百科事典「ウィキペディア」(インターネット)
・祝日の由来(国民精神研修財団ホームページ)(インターネット)

授業づくり最前線の目次へ