「2007年問題」闘争宣言
南京事件をめぐる国際情報戦参戦にあたって

藤岡信勝(自由主義史観研究会代表・拓殖大学教授)
|
アイリス・チャンの偽書が映画に
《多くの日本兵は強姦だけにとどまらず、女性の腹を裂いて腸を抜き出し、乳房を切り刻み、生きたままクギで壁に打ち付けた。
父親は自分の娘を、息子は自分の母親を、他の家族が見ている目の前で強姦することを強要された。生き埋め、性器切断、内蔵摘出、火あぶりが日常的になっただけではない。
舌に鉄のカギをかけて吊したり、腰まで生き埋めにされた犠牲者が生きながら軍用犬に引き裂かれるのを見物するといった悪魔的な行為が行われた。その吐き気を催す光景には南京在住のナチ党員たちすら慄然とし、大虐殺は「機械仕掛けのけだもの」の所業であると断言したほどだった。》
右の一節は、アイリス・チャン『ザ・レイプ・オブ・南京』の原書6ページの一部を拙訳したものである。日本人なら誰もが「こんなことは日本人のすることではない」と、たちどころにわかる。むしろ、チャンの血統上の先祖や同類達こそ、歴史的に見てこの種の残虐行為の常習者であったことは明白である。右の文章は、自らの悪習を日本人に投影している文章と断定してよい。もちろん、この文章に何の史料的根拠があるわけでもない。チャンの本は、悪質極まりない反日プロパガンダの偽書である。しかも170箇所もの誤りが既に指摘されているデタラメ本でもあり、そのために結局、発売寸前までいった日本語版が著者の指示で差し止められたといういわくつきの本でもある。
しかし、この本はアメリカでベストセラーになり、今でもいくつかの空港で平積みで売られていると伝えられている。そればかりではない。今年、2007年は南京陥落70周年の年にあたるのだが、この機会を利用して、チャンの本をもとにした南京事件に関する反日プロパガンダ映画が、アメリカ、カナダ、中国で何と合計10本もつくられ公開されることがわかっている。怒濤のような反日情報戦が展開されることになる。
「2007年問題」としての「南京」
これは日本にとって未曾有の国難である。世に「2007年問題」と言えば、団塊の世代が定年の歳になり、今年から大量に退職するために職場の仕事のノウハウの伝承に不安が生じている問題のことであるとされている。それも問題であるかもしれないが、もう一つの「2007年問題」、すなわち「南京70周年」の今年、世界的に仕掛けられる反日情報戦こそ、それ以上に重大な問題であるといわなければならない。
他方、日本では、この10年の間に、南京事件の研究は画期的な発展を遂げた。10年前の1997年12月にアイリス・チャンの本が出た直後から、私は東中野修道亜細亜大学教授と共同して同書の写真検証を呼びかけ、自由主義史観研究会のメンバーを中心にして、翌年の2月から「プロパガンダ写真研究会」を発足させた。その成果は、東中野氏と私との共著『「ザ・レイプ・オブ・南京」の研究』(祥伝社)として1999年9月に出版された。かくて、この翻訳大国日本で、原書が翻訳されていないのに、その批判本が出版されるという仕儀になった。
その後、「日本『南京』学会」が組織され,これとは別に「南京事件研究会」も任意団体として活動を始め、南京事件の研究は組織的な基盤を得た。その研究の中心を担ってきたのは、同学会会長の東中野氏である。
これらの研究を通して、20万、30万の大虐殺はおろか、およそ不法殺害と言える事例すら限りなくゼロに近いことがわかってきたのである。しかも、どのようにして「大虐殺」が歴史上の事実であるかのように仕立て上げられたかという経過、内幕も暴露されてしまった。こうして、事件をめぐる学問的論争は、日本ではほとんど決着がついたと言ってよい。従って、これらの学問的研究成果に依拠して、国際的情報戦に対抗出来るだけの基本的な条件がすでに備わっている。
映画制作を中核とした反撃体制の構築
ただ、映画に対抗するには映画をもって対抗するしかない。と言っても、私たちにはそれだけの力はない。昨年の11月に、「南京」映画が複数つくられると報道されて以来、どう対抗すべきか考えあぐねて悶々としていた私は、年明け早々に朗報に接した。チャンネル桜を主催する水島総監督が自ら反撃のための映画を制作することを決意したのである。
水島氏も、右の報道がなされてのち、保守派の中から動きが現れないかとウオッチしていたが、目立った動きは現れなかった。
かくて一晩考え抜いた末、「自分がやるしかない、そうしなければご先祖様に申し訳ない」と決意を固められたそうだ。この経過は、私が社会主義体制の崩壊後、歴史教育の改革に誰かが取り組むだろうと期待していたのに、全く動きが現れず、結局私が声を上げざるを得ないと決意した状況と同じである。
(一口1万円で寄付を募っています。
問い合わせ先は、「映画『南京の真実』制作委員会」03・5464・1937/映画
『南京の真実』製作委員会のHP)
この映画制作を核にして、あらゆる力を結集して仕掛けられた国際情報戦に対抗しなければならない。今年、この情報戦に取り組まなければ千載に悔いを残すことになる。あらゆる可能性を追求したいと思う。以上をもって、「2007年問題」に対する私の闘争宣言とする。
歴史論争最前線の目次
|