映像は戦場を再現できたか?
映画『硫黄島からの手紙』を観て


三好 誠・米山仁・渡邊龍二(自由主義史観研究会会員各位)

○映画「硫黄島からの手紙」の誤りについて/三好 誠(作家)

1.司令官の命令を受領する時は必ず直立不動で、その命令を復唱しました。
「かしこくも陛下の命令である」と批判や無視は絶対にありえません。

2.憲兵や特高警察が銃後(内地の民間)で飼い犬に発砲は断じてありません。大切な出征兵士の留守家族です。

3.拝領の歩兵銃を「ライフル」などと敵性語で呼ぶことはありません。

4.一兵卒に至るまで戦意と使命感に燃えていました。「こんなちっぽけな島なんか…」言いも思いもするもので  すか。 

5.だだっ広い地下陣地、まったく非現実的です。

6.栗林中将が左ハンドルのジープに乗った、戦利品があったとでも言うのでしょうか。 

現実離れしたチャチな戦闘シーン、三流の西部劇並だと思います。


○硫黄島からの手紙」の虚を突く/米山仁(医師)   

天皇誕生日(いわゆるA級戦犯のご命日)に「硫黄島からの手紙」を観ました。

大部分は感動的で良かったのですが、どうも憲兵をナチスのゲシュタポかSSとでも思っているかのような描き方であり、気になりました。憲兵が、主人公のパン屋に出向き、製品を取り上げたり、パンを作る道具を鉄の供出と称して取り上げたりしたのでしょうか。また、夜遅く、国旗を掲げていない家(普通は日中だけ掲げ、夜には仕舞うはずなのに、なぜか夜各戸が掲げている)に憲兵が叱責し、更に吠え立てた犬を撃ち殺すなど、あり得たのでしょうか。街中でピストルを無闇に発砲するほど憲兵に権限があったとは思えません。

また、憲兵を命令違反で辞めさせられた兵士が、主人公よりも星が多い(主人公は星二つ、元憲兵は三つ)のもおかしいし、星一つ違えば天地の差がある軍隊で、敬語も使わないのもおかしい。

冒頭、塹壕を掘ることに不満を漏らした兵士を上官(中尉)が鞭打ちをしていたが、そのような暴行はあり得たのでしょうか。鉄拳制裁で済ませたのでは。

天皇陛下から下し賜れた鉄砲を、「ライフル」と三度くらい呼んでいましたが、興ざめでした。

細かいことですが、折角硫黄島での我が将兵の奮闘を描いたのですから、リアリズムに徹して欲しかったと思います。ただ、私の知識不足で、憲兵が、民事にも介入して、パンを取り上げたり、街中で犬を射殺したような事例がございましたら、ご教示下さい。


○事実の発信を世界に/渡邊龍二(公務員)

映画「硫黄島からの手紙」は私はまだ観ていませんが、今年は邦画が予想外に人気があるようですね。

さて、『憲兵が、民事にも介入して、パンを取り上げたり、街中で犬を射殺したような事例』があるかということですね。

米山様のおっしゃるとおり、考えられないと思います。民間人がそういうことをすれば警察が逮捕しますが、兵士がそういうことをすれば憲兵(米国流に言えばMP)が逮捕します。

ただご承知のとおり金属の供出などはありました。それがなぜこうなったのでしょうか。それを想像するに、映画の製作にあたっては日本側の資料を調べたと思います。その資料に左翼的な人の作った資料が多いのだと思います。現在の日本国内の思想状況が影響しているかもしれません。そういう影響からこうなったのではないかと思います。

また、おっしゃるように日本では一般的に鞭打ちというのはないです。鞭で打ったというのなら、たまたま乗馬用の鞭を持っていた時にカッとなってというような状況でしょう。鞭打ちの刑は西洋ではポピュラーだったと思います。

ただ、兵隊の敬語の件については、日本の兵隊の間では星の数よりメシの数というように階級より年次が優先されたり、個人的関係とか、一概には言えないのではないかと思います。

いろいろと情報をありがとうございました。私たちは、米国に対しても正しい情報を提供していかなければならないと思います。今後とも日本の国の名誉と国益のためによろしくお願いいたします

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