「つくる会」教科書採択関連の英字紙報道について

五十嵐岳男(自由主義史観研究会海外情報部欧米班)

8月26日、東京都教育委員会は、来春開校予定の都立白鴎高校付属中で使われる歴史教科書に、「つくる会」メンバーらが執筆した扶桑社の教科書を採択した。この件に関し、わが国の英字紙3紙がどのように報道しているかを見てみよう。3紙とは、ジャパンタイムズ、デイリーヨミウリ、ヘラルド朝日の日刊紙である。

まず、8月27日に、ジャパンタイムズがナカムラ・アケミ記者名で、"Board OKs nationalist-bent history text"(委員会がナショナリズム傾向の歴史教科書を承認)、副題"Junior high kids seen getting whitewashed version of Japan's atrocities"(日本の蛮行を覆い隠す教科書を中学生が手にすることになる)との写真入りの記事を掲載した。記事内容は、タイトル及び副題から想像されるように、同教科書に批判的なものである。

同じく、デイリーヨミウリ(DY)も、同27日に、記事として"Controversial history primer adopted again"(論議を呼んでいる歴史教科書を再び採択)を掲載した。DYの国内記事は、共同通信からの配信記事及び読売本紙からの転載記事からなる。今回の記事は、タイトルのすぐ下に"The Yomiuri Shimbun"とあるから、後者に属する。

そこで、27日の読売本紙の同関連記事をネットで調べると、”東京都が「つくる会」歴史教科書を採択”があった。内容は、都教委が同教科書を採択したが、反対派の抗議があったというものだ。英文記事中にある"Some critics say it whitewashes Japan's wartime past"(この教科書は日本の戦時中の過去を覆い隠すと、評論家の中で言う者がいる) のところは、読売記事には見当たらない。また、読売記事にある、「つくる会」教科書をすでに使用している学校が「苦情や混乱はない」との部分は、英文記事では見当たらない。
以上、読売本紙の記事内容と、これから転載したとされるDY記事には、微妙な違いが見られる。

8月28日ー29日合併号のヘラルド朝日は、社説として、"Textbook controversy" (教科書論争)、副題として、"The move by Tokyo's education board worries us" (都教委の動きは心配だ) を掲載した。ヘラルド朝日は、朝日本紙の社説を一日遅れで翻訳掲載する。これも、同27日の朝日社説「教科書採択 − 東京の教育が心配だ」の翻訳だ。

8月29日のジャパンタイムズは、"China steps up criticism on history textbook" (中国が歴史教科書批判を増す)を掲載している。

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